« 満月ですね | トップページ | 肉と乙女 »

市川準監督

昨夜、市川準監督が急死されたニュースを知りました。
59歳という若さ、残念です。

子供の頃から洋画ばかり見て育ってきた私が、大人になって、いつからか
「日本映画もいいよね」って思うようになったその理由の何パーセントかは、
間違いなく市川準監督の映画によるところだと思うのです。

何気ない平凡で淡々とした日々の生活の中にある優しさとか哀しさとか、
そういう心の機微みたいなものを丹念に映し出していて、どの映画も見終わ
ったあとに、その映画の「空気感」がしばらく漂っているような気がするところ
が魅力でした。

中でも忘れられない作品は、『ご挨拶』という3本のオムニバス映画でね。
(多分、今はもうレンタルショップにも置いてない地味な映画なんだけど)
市川監督の作品は、その中の第二話『佳世さん』という30分の短編。
キヨスクで働く初老の白井さんというおばさんが主人公で、台詞はほとんど
無いのだけれど、その白井さんの心の動きを丁寧に繊細に映し出していて
なんとも心を打つ作品なのでした。
キオスクでの無駄なく端正な仕事ぶりもね、いいんだよなぁ。
(お客さんが新聞、ガム、と手に取る、その代金を瞬時に計算し、お釣りを
渡す、の繰り返しの所作がとても美しのです。)

もう10年以上も前に観た映画なのに、あの30分間の風景、ひとつひとつを
今でもはっきり思い出せるほど、大好きな作品。
DVDがあったら絶対買うのに。一生の宝物になるだろうな、きっと。

監督のご冥福をお祈りします。

|

« 満月ですね | トップページ | 肉と乙女 »

「見て聴いて読んで」カテゴリの記事

コメント

市川準の映画に出てくる人ってみんな物静かで穏やかそう。

私のベストは、小川美潮のミュージック・クリップ集の
「4to3」ですね。
レーザーディスクを持っているのですが、
古い映画館のモギリをやっている小川美潮の
日常を淡々と追った、映画のようなつくりになっています。
「ノーライフキング」にも小川美潮、
出演してるんですよね。

それにしても59歳とは、早すぎます。

投稿: テツ | 2008年9月21日 (日) 07時11分

■テツさん
小川美潮さんのそのPV、一度だけ見たことあります。
都電とかでてくるやつですよね。
小川美潮さんは、確か市川監督の「つぐみ」でも歌ってるし、親交深かったのでしょうね。
「ノーライフキング」は未見です。
いとうせいこうさんの原作も好きなんだけど、何か市川監督のイメージとは違う気がして
なんとなく見ずじまいでした。

市川監督のCM集とかどこかでやらないかなぁー。勝手に脳内で企画中です。

投稿: ok | 2008年9月21日 (日) 21時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/115973/23888898

この記事へのトラックバック一覧です: 市川準監督:

« 満月ですね | トップページ | 肉と乙女 »