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やわらかい手

クリスマスの日はル・シネマまで、「やわらかい手」を観てきました。
淡々と心に滲みて、しあわせな気分でじわじわっと身体が温かくなる映画でした。
ひたすら地味で控えめな作品だけど、私の今年観た映画のベスト1はこれに決まり!
もう、たまらなく良かったなぁ。ちょっと思い出すと涙腺がにじんじゃうよ。
いや、決してお涙ちょうだいものとか感動巨編とかじゃないんですけどね。
とにかく心に滲みちゃうんですよ~。

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ストーリーはというと、
主人公マギー(マリアンヌ・ファイスフル)は何の取り柄も無い未亡人。
難病の孫の治療のために家も売り払ったのですが、孫の病状は悪化。オーストラリア
に渡航しそこでの治療に望みをたくすしか命が助かる見込みはもう無い、と医師から
告げられてしまいます。でも、息子夫婦はすでに今までの莫大な治療費で貯金も家も
無く、借金さえもできない状態。
そんな息子夫婦の様子を見て、マギーも金の工面に走り回るのだけど、年齢も高いマ
ギーは、職安からでさえ役立たずな老人扱いをされ、仕事はまったく見つからず…。
街をさまよい迷い込んでしまい、ソーホーの歓楽街のとある風俗店へ辿り着きます。
そこのオーナーは彼女の手を見て「ある仕事」を紹介するのです。
そう、意外や意外、彼女のやわらかい手は、多いに稼げる「手」だったのでした。
(まぁ、あれですね。ハンドジョブ)

こういうストーリーをきくと、「フルモンティ」みたいな映画?って思っちゃいそうだけど、
かなり色合いは違います。もちろん笑うシーンもけっこうあるし楽しいんだけど。

とにかくマギーが可愛らしくて強くて逞しくて優しくて、こんな女性になりたいって私は
強く思ったのでした。

今まで何の特技もなく、友人達にも陰ではバカされてるのを知りながらも逆らえない
ようなおとなしくて冴えない中年女性だったマギーが、少しずつ仕事をおぼえ、自分
が必要とされていくことで、段々と自信を身につけていく様子に感動します。
あからさまに変わるんじゃなくて、本当に地味にゆっくりわからない程度におしゃれ
になっていくし、美人になっていくし、強くなっていくのです。(あくまでも控えめに)

主演のマギーを演じたマリアンヌ・フェイスフルは、貴族の出でありながら歌手であり
女優であり、ミック・ジャガーとつきあっていたこともあり、あのルパン三世の峰不二子
のモデルといわれる超ド級のイイ女だったのですが、その生き様は激しくドラッグ中毒
になったり、果てはホームレスになってしまっていたこともあるとか。
そんなマリアンヌが、この映画では本当にただの地味で冴えないおばさんを完璧に
演じきっています。
かつて若い頃の外見の美しさをまったく消しているのに、身体の内に、たおやかで、
海のように大きな母性をもつ素晴らしい魅力を秘めたこのマギーという中年女性という
役柄を完璧に演じきったマリアンヌ・フェイスフルはものすごい女優だと思いました。
(↓これが若かりし頃のマリアンヌ)

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「見て聴いて読んで」カテゴリの記事

コメント

を、さすが文化部長。
これは見に行こうかな。

投稿: ぜっとぜっと | 2007年12月27日 (木) 08時01分

■ぜっとぜっとさん
文化部長だなんて、そんな。めちゃ偏食だから、私。(映画も音楽も)

この映画ぜひ見て欲しいなぁ。
この風俗店のオーナーがまたいい男で!!ぜっとぜっとさんも男としてきっと
惚れると思われます。
初老になっても純愛っていうのはいいもんですねー。

投稿: ok | 2007年12月28日 (金) 00時51分

コレ、見たいんだよなぁ
あと、「迷子の警察音楽隊」も

で、okさんはコレがNO.1っすか
さすが!文化部長
ワシなんて「プラネットテラー」ですよ(爆)

投稿: ワシ | 2007年12月28日 (金) 11時24分

■ワシさん
私も「迷子の警察音楽隊」は見たい!!信念最初に見る映画にしようかと思ってるよっ。
「やわらかい手」は、見る人が見たらつまんないと思う。地味だからね。
でも映画が好きな人だったらいろいろ小さい部分で面白みがあることに気づくから
そういうところでも楽しめるんじゃないかなぁ。
映画の音楽もほぼ全編1曲しか使われてないのが面白かった。
悲しい時もドキドキする時もうれしい時もその1曲が流れるという…。
エンドロールもその曲なんだよ(笑)。

私はプラネットテラーよりデス・プルーフのほうが好き!!!


投稿: ok | 2007年12月29日 (土) 00時02分

■ワシさん2
金沢シネモンドで来年の3月に公開だって!!
見てみてねー!

投稿: ok | 2007年12月29日 (土) 00時17分

>金沢シネモンドで来年の3月に公開だって

それ、知ってるんやけど、めんどいのよ、あそこ(笑)
見たい、見たい「ゾンビーノ」すらまだいけてない
なので、お江戸で見る可能性高し

投稿: ワシ | 2007年12月29日 (土) 08時37分

初めまして。映画のブログをいろいろ見てるうちにこちらにたどり着きました。
僕もこれ好きな映画です。
自分が男だからか、あの息子の態度がすごくわかる気がしたなあ。
母を自分の母としてじゃなく、一人の人間として見ることができた時が、本当の意味での自立なんだって教えられました。
まっ男はみんなマザコンですけどね。ほんと母性ってやつに弱いわけで(笑)


それにしてもOKさんののブログはセンスがいいですね。知性もあるし可愛げもある。
お気に入りに登録決まりです!

投稿: moonh | 2007年12月29日 (土) 19時58分

■ワシさん
「ゾンビーノ」は私はまぁスルーですな。(笑)
私はお正月第一弾映画を「迷子の警察音楽隊」にするか、「俺たちフィギュアスケーター」にするか迷ってます。(「バス男」好きなんだもーん)


■moonhさん
初めまして&いらっしゃいませ。
マギーの息子の成長物語でもありましたね、この映画は。
自分にも子供がいるというのに、やっぱり自分とマギーとの関係性のなかでは
いつまでも「優しいママと僕」なのかなぁって。困ったものですが真実ですよね。

なので、嫁姑の争いなんで無意味だよなぁって思います。絶対、嫁は勝てないわけで…。

またブログ、遊びにきてくださいね。よろしくです。


投稿: ok | 2007年12月30日 (日) 21時26分

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「やわらかい手」★★★☆ マリアンヌ・フェイスフル主演 イギリス、ドイツ、フランス、ベルギー、ルクセンブルク主演 サム・ガルバルスキ監督、2007年、103分 名古屋でのこの映画の上映は いつもは単館系のアートっぽい映画が多く、 昨年はここで 同じよ...... [続きを読む]

受信: 2008年1月19日 (土) 14時27分

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