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『イカとクジラ』

Photo_54ずっと、うずうずしながら公開を心待ちにしてた「イカとクジラ」
公開初日の今日、仕事帰りに新宿武蔵野館で見てきました。
(今のところ、関東では新宿武蔵野館のみの上映予定)

期待どおり、私好みの作品でした。面白かったなぁ☆
ウェス・アンダーソンの作品に、ウディ・アレンの皮肉っぽい
インテリぶりをブレンドした感じ。
実際、「ウディ・アレンの再来」とか言われてるらしいです。


ストーリーは、
両親の離婚騒動によって、16歳と12歳の兄弟が翻弄され、彼らの行動が
微妙にバランスを欠いていく。そんな子供達を心配をしつつ、でも自分達の
幸せを見つけることのほうに夢中な両親。そんな家族のチグハグな日常

というまぁありふれたと言やぁ、ありふれた話なんだけどね。
軽妙でユーモアあふれる会話満載で、クスクスと笑いながらも切なくなる感じ。
私がもっと英語が堪能なら、字幕無しで彼らの会話を楽しめることができるのにと
悔やまれましたわ。
デジタルビデオじゃなく粗めのフィルムで撮られていて、それがとてもいい味を
出してました。80年代の質感が伝わる感じで。

さて、ここのお父さん(かつて人気作家、今はしがない大学講師)が、本当に
インテリにありがちな鼻持ちならないヤツでして。
『小説を読まず映画も観ない』人達のことを俗物とか言って軽蔑してるんだけど、
しゃべればしゃべるほど、彼のほうがずっと滑稽で情けなくって哀しくて。
(でも、なんだかキュートな人なのよね。弱ってるとことか見えちゃうし)

そんなお父さんのことを長男は大好きでとっても尊敬しているのです。
読んでもいないカフカやフィッツジェラルドを、父親の発言をそっくりそのまま真似
て、友達の前で批評して語ってみせたりして、すっかり読んだ気になってるわけ。
この長男が成長していくさまがとっても良いんですよ。
優しい子なのにわざと人が傷つくような言動で他人を罵ったり、格好悪いぶざまな
経験をしてみたり、いろいろ体験しながら、「大人って実は自分達とそんなに変わ
らず心細かったりみっともなかったりするんだ」ってことが解り始め、少しずつタフに、
大人になっていくの。最後のシーンは胸が熱くなったなぁ。
もがいている青年期っていうのはとても不格好だけど、なんともステキだ。

それにしてもこの映画は配役が絶妙です。
特に、次男のテニスコーチのアイヴァン役にウィリアム・ボールドウィンが最高!
(私、ウィリアム・ボールドウィンが好きなの。あの間抜けなタレ目っぷりがいいの
よね。馬鹿でかわいくって憎めない女ったらし)
このアイヴァンは、父親に言わせるところの『小説を読まず映画も観ない』スポー
ツ馬鹿なわけですが、ストーリーがすすめばすすむほど、心優しく、相手の気持ち
を察することのできるナイスガイだということがわかってきます。
世の中のことが何でもわかってると思いこんでるアタマでっかちなヤツより、よっ
ぽど人間として賢い。質が高いのですね。

まぁ実際のところ、父親も心の底では自分よりアイヴァンのほうが優れてること
に気がついているんだけど、どうしてもプライドと自己愛がジャマしてそれを素直
に認めることができないのです。同じように奥さん(人気作家)の才能についても
認めることができないわけで…。
まぁきっと、男の人って多かれ少なかれそういうプライドを持ってる生き物では?
(そこが可愛いところでもあるのだけど^^。程度問題ってやつですね)


そうそう、サントラがまたかっこいいです!ルー・リード、バート・ヤンシュ、…etc。
CD、買おうと思いました。


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「見て聴いて読んで」カテゴリの記事

コメント

タイトルだけ見てたら
ハブとマングース
ゴジラとメカゴジラ
グドンとツインテール
キカイダーとハカイダー
そういうのの仲間かと思いました(ふつう、思わない気もしますが)。
働いていらっしゃる間、つか、朝8時から約12時間、久しぶりにとことん「言いようのないなんだかよくわからない時間」を過ごしておりました。

投稿: 69 | 2006年12月 3日 (日) 15時32分

■69さん
ヘンなタイトルの映画でしょ?>イカとクジラ
映画を観るとそのタイトルの意味がわかります。
で、イカかクジラに関わるものを映画館の窓口に持っていくとチケ代が
割り引きになるらしい。
(客席がサキイカ臭くなりそうな企画ですわ。)

全景、行かなくちゃ終わっちゃうねぇ。。やばいぜ。

投稿: ok | 2006年12月 3日 (日) 21時51分

この映画、実は観にいこうか迷っていたラインだったんです。でも、ウェス・アンダーソンが製作に携わってると知り興味津々。そんでこのブログの評価を読んで、後押しとなりました。うん、絶対観にいくぞ~~~

投稿: 歌子 | 2006年12月 4日 (月) 14時13分

■歌子さん
もし歌子ちゃんがウェスアンダーソン好きなら、きっとこの映画も気に入ると思うなぁ~。
80年代のブルックリンの町並みも良い雰囲気なんだよ。それも見所。
弟も可愛いし、お母さんの笑顔もたまらなくステキ。(それだけで胸キュン)
サキイカ持って観に行って!!

投稿: ok | 2006年12月 4日 (月) 16時35分

なんやこれ、知らんかったけど、いかにもワシ好みやないかい
ローラ・リニーが出てるだけでもそそるのに、なんやこの渋いスタッフは
ほんでHPで流れてる音楽もよろしいねぇ
また映画観に東京行かんなんかのう(笑)

関係ないけど先週伊原剛志に会ったぞ
って「ども」って挨拶しただけやけど、久しぶりにオーラのある役者さんやったわ
先月会った西島秀俊はフツーのあんちゃんやったけどな(苦笑)

投稿: ワシ | 2006年12月 5日 (火) 22時24分

■ワシさん
絶対、ワシさん好みだと思うわ。まず間違いないね。
「誰にこの映画を薦めるか」と考えた時、最初にワシさんを思い出したもの、私。

ローラ・リニー良かったよぉ。彼女の演技力はスバラシイね!!
ふとしたときのこぼれそうな笑顔だけで、このお母さん(←子供との付き合い方がヘタ)が
どんなに息子達を愛しているのかが伝わってくるのよ。
どの映画のシーンより、私はあの笑顔が一番胸にきたなぁ。

なんですと伊原剛志にあった??うらやましすぎて悶絶しました。

投稿: ok | 2006年12月 6日 (水) 13時27分

track有難うございました。こうゆう映画ってなかなか無いもんですよねー。そういえば爽やかなブログでいいですね。また遊びにきます。

投稿: yesquire | 2006年12月 6日 (水) 16時44分

■yesquireさん
こちらこそありがとうございました。
低予算でこんな良い映画がつくれるのはすばらしいですよね。
あっyesquireさんは表参道、お住まいなんですね。
私は通勤してます>表参道
どこかでお会いしているかもしれませんね^^。

投稿: ok | 2006年12月 6日 (水) 19時05分

>伊原剛志

試写会ゲストやったんやけどな
アテンドしてんのが友人やったし
打ち上げ「いたる」やったから
くっついていこかとも思ったけんど
連れがおったからしゃーなしに映画見たわ(笑)


で、まったく関係ないけど
昨日たまたま見かけたオリエンタル・ラジオのネタ


♪意味はないけれど むしゃくしゃしたから~

「オダギリジョー」をひらがなに

投稿: ワシ | 2006年12月 8日 (金) 19時27分

■わしさん
うーーーー!!
伊原剛志より、この時期に「いたる」で飲むというほうがよっぽど私には魅力的な響き♪

あぁ~~、金沢行きたい病になってきたじゃないの、どうしてくれるぅ。

おだぎりじょー、ひらがなでもかっこいいじゃん!!

投稿: ok | 2006年12月 9日 (土) 00時51分

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