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戦争はいや

前にNHKの『人間講座』で美輪明宏さんが、朗読していた詩。


『わたしが一番きれいだったとき』   茨木 のり子

わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした

わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達が沢山死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった

わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差だけを残し皆発っていった

わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った

わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた

わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった

わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさみしかった

だから決めた できれば長生きすることに
年取ってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように
     ね


ほんとうに戦争っていうやつは、愚かで、くだらなくって、醜い。

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コメント

美輪せんせいってのがなんかリアリティありますね。
昔いちどご本人をお見かけしましたが、思ったより小柄なのね(それなりに横幅はありましたけど)

投稿: ぜっとぜっと | 2005年8月16日 (火) 22時31分

■ぜっとぜっとさん
美輪信者ではないんだけど、やっぱり歴史の生き証人っていうか。
とにかく含蓄ありました。あのビブラートかかった声で読むから特に・・。

mekuちゃんに誘われて、1回ライブ行ったことあり。
よいとまけの歌より、とにかくトークが面白かったです。

投稿: OK | 2005年8月16日 (火) 23時41分

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» 終戦記念日 [す ぱ い ら る]
なぜ記念日というのかは いまひとつ肯けないけれども、そんな日な 今日。 ここ数日 新聞でも 戦争を振り返って考える、みたいな記事がワンサカしている。 いろいろ読んでいてふと思ったのは。 当時は 何があっても 「 万歳 」だった。 それは 「 大日本帝国、万歳 」 だっ ■ぜっとぜっとさん 美輪信者ではないんだけど、やっぱり歴史の生き証人っていうか。 とにかく含蓄ありました。あのビブラートかかった声で読むから特に・・。 mekuちゃんに誘われて、1回ライブ行ったことあり。 よいとまけの歌より、とにかくトークが面白かったです。 [続きを読む]

受信: 2005年8月16日 (火) 12時38分

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